長持ちする鉄筋コンクリート(RC)造の建物を建てるには

  • 2019.09.03 Tuesday
  • 11:57

日本では関東大震災のあった1923年以降、強度と耐久性に優れた建築として鉄筋コンクリート造が普及してきました。

 

その耐久性はやはりさすがというべきか、現在不動産の現場で取引されている建物の中には築40年50年という鉄筋コンクリート造のものがたくさんあります。

 

一方で、築年数が経過した鉄筋コンクリート造の建物の中には、内部の鉄筋が腐食しているようなものもあります。

 

コンクリートは本来、強アルカリ性です。したがって骨格たる鉄筋の表面に「不動態被膜」という被膜を作り、鉄筋が腐食したり錆びたりすることを防いでいます。

 

しかし時間の経過と共に、大気中に含まれる二酸化炭素等の影響を受けてアルカリ性だったコンクリートが徐々に中性に傾いていきます。

 

中性化すると鉄筋に表面の「不動態被膜」がなくなっていき、この被膜がなくなることによって、鉄筋が腐食したり錆びたりしていきます。

 

鉄筋が腐食したり錆びたりしていくと、鉄筋自体の体積が増えていきます。鉄筋自体の体積が増えるとその膨張によってコンクリートにひび割れが生じます。ひび割れが生じるとそこからさらに酸素や水分が入り込み、鉄筋の腐食や錆びがますます進行していきます。

 

強度と耐久性に優れた鉄筋コンクリート造の建物であっても、時間の経過と共にこのように劣化していきます。

 

では私たちが鉄筋コンクリートの建物を建てようと考えるときに、なるべく長く安全にテナントに入居していただける物件を作るためにできることとは一体何でしょうか。

 

建築基準法施行令79条には、鉄筋コンクリート造の建物の鉄筋のかぶり厚が規定されています。

 

かぶり厚とはコンクリートの表面から鉄筋の表面までの距離のことです。

 

基礎部分の鉄筋コンクリートのかぶり厚は60ミリ、耐力壁・柱・梁は30ミリ、耐力壁以外の壁や床は20ミリといったように最小距離が設定されています。

 

例えばかぶり厚を30ミリにした場合には、鉄筋の位置までコンクリートが中性化して不動態被膜をなくしてしまうようになるまで約60年であるといわれています。しかしそれをさらに10ミリ、つまり1センチ厚くするだけで、この期間は115年まで伸びます。

 

またコンクリートをひび割れしにくくするために、コンクリートの強度を上げる工夫もできます。

コンクリートは型枠に流し込んでから固まるまでの間、風雨をしのぎ、直射日光を当たらないようにし、急激な乾燥や温度変化を避けるために養生期間をとります。そしてこの養生期間が長いほどコンクリートの強度は上がり、その結果ひび割れが極端に減少することとなります。

 

専門家によるとこのコンクリートの養生期間を1〜2日長くするだけで、かなりコンクリートの強度を上げることができるそうです。鉄筋コンクリート造の賃貸ビルを建てる投資家としては、一日でも早く市場に物件を出したいという気持ちはあるかもしれませんが、1〜2日の投資でその後数十年に渡る費用の発生を抑え、安全性を高めることによる投資効率の高め方、出口でのキャピタルゲインの増やし方があるということも理解しておく必要があるかもしれません。

 

府株式会社 宅地建物取引士 永 秀一郎

 
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