所有者が行方不明の不動産を売るには

  • 2018.06.28 Thursday
  • 11:42

まさに「上品な奥様」が来社されました。

しかしどこか悲しい雰囲気。

 

お話を伺ってみると、ご主人が、奥様と三人のお子様を残して突然帰ってこなくなったとのこと。

朝普通に出勤のため家を出て、そのまま会社にも行かず、自宅にも帰らず、実家にも帰らずで全く連絡が取れなくなってしまったそうです。もちろん警察に届けを行いましたが、行方知れず。

 

ローンで買った自宅は戸建てで、住宅ローンが残っているが、返済が厳しいので親族と相談して、この自宅を売りたいとお考えになったようです。

 

問題は…そう。所有者たるご主人が行方不明であること。ご主人の了解なく不動産を売ることはできるのだろうかというご相談だったわけです。もちろん、いくら所有者が行方不明であるとはいえ、勝手に不動産を処分(売る)はできません。

 

一般的には「失踪宣告」(民法第30条)により、行方不明者の財産を相続人が引き継ぎ、その権原をもって不動産を売るというパターンが有名かもしれません。

 

この場合ですと、仮に、ご主人が行方不明になって7年間(特別失踪の場合は1年)を経過していれば、奥様は家庭裁判所に申し立てを行い、ご主人が行方不明になったその日に死亡したとみなされ(民法第31条)ることになるので、ここでその死亡に基づく相続が発生します。このような場合でも特別な手続きではなく、通常の遺産分割手続きにより処理が行われます。奥様が自宅の不動産を相続すればその持分に応じて自由に処分することができるようになるという流れです。

 

しかしこの奥様のケースでは、失踪宣告は使えません。というのもご主人が行方不明になられてから、この時点ではまだ1年弱だったのです。

 

したがって「不在者財産管理人による権限外行為許可」(民法第25条、民法第27条、民法第28条)をにより不動産を売っていくことになります。手順としては奥様(利害関係人)が不在者財産管理人の選任を家庭裁判所に請求(民法第25条)し、弁護士等が管理人として選任されます。不動産を売るという行為は「管理人」としての権限を越えますので、今度は売るために民法第28条に規定されている「権限外行為の許可」を家庭裁判所に申し立てし、裁判所から許可を得ることで初めて不動産を売ることができるようになります。

 

私たち宅建業者は

1.家庭裁判所から発行される「選任審判書」を確認し

2.この不動産が誰にいくらで買われるのかを決めて売買契約を交わした上で売買契約書を作成し

3.その価格が近隣相場から鑑みて妥当な金額でなければならない(権限外行為の許可の審判の重要な要素となっています)

 

という点に注意して不動産を取引していくことになります。

 

そして順調に進んだとしても管理人選任の申し立てから選任まで約4か月、実際に売却する許可を得るまでに約2ヶ月ほど、で合計約6か月ほどの期間を要しますので、その間のローン返済等の資金繰りもきちんと検討しておかなければならないでしょう。

 

またこれらの一連の手続きには必ず、その分野に強い専門家の力を借りる必要がありますので、併せて準備しておくことが必要です。

 

楽府株式会社 宅地建物取引士 永秀一郎

 

 

不動産の売却、買い取りのご相談は

http://gafu.asia

メール info@gafu.asia

TEL 042-656-7414

 

 

 

 

 

 

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