相続した共有の不動産をどうすべきか

  • 2018.06.29 Friday
  • 12:59

「うちは仲が良いから大丈夫」

「うちはもめるほどの財産がないから大丈夫」

 

相続の話になると、10中8、9の確率でこの言葉を聞きます。

ただ、私どもが扱う相続絡みの不動産案件では、10中8、9の確率で「仲が良かったゆえに仲違いしてしまった」というものです。

 

どういうことでしょうか。

 

ドラマや小説、漫画等のフィクションの世界では、お金を巡って殺人にまでいたる争いが繰り広げられますが、現実の世界ではお金が欲しくてもめるのではなく、感情的な部分で争いが始まり、それに折り合いをつけるためにお金や不動産等の財産分与の話になります。

 

特に不動産の世界では土地や建物を共有できるため、この感情的な部分に火が付くことが多く、結局誰も得しない不幸な結末を迎えることが多々あります。私自身「共有は争いの母」という言葉は不動産の世界に入って、多くの争族案件を経て覚えた言葉です。

 

現場でまるで判で押したようにあるケースは「仲が良いから」「決してもめないように」仲良く、兄弟で1/2ずつ不動産を共有したパターンです。

 

この仲の良いご兄弟がそれぞれが仲良く年をとり、それをそれぞれの息子さんや娘さんが相続していきます。一方の息子さんは仕事で地元を離れ、一方の娘さんは地元に残ります。現実問題、不動産の管理は近くに住んでいる者が行った方が良いだろうという理由で一方の娘さんの方が、テナントの対応もお金の管理も銀行とのやり取りも全て行うことにします。

 

最初はよく頑張っていたものの、日々の業務には苦情処理やご近所トラブルの解決等、決して楽しいとは言えない仕事も含まれるわけで、不公平感を少しずつ募らせていき、家族に愚痴をこぼすようになります。そしてしばらく経過し、この管理を行っていた娘さんが病気になったり、あるいは相続が発生するような事態が起きます。そのご家族は愛する人が苦しんだり亡くなったりした悲しみの感情を整理するために、おそらく無意識に「そうだ、不動産の管理の仕事を一生懸命に頑張ってきたんだ。でもあいつ(=このケースでは地元を離れた息子家)は何もせずに、家賃をもらっている。我々はこんなに悲しいのに苦しいのに不公平だ」と考えるようになります。すると家賃の振り込みが一回遅れ、二回遅れ…そのうち、「テナントが空室になったから」というようなきっかけで振り込まれなくなります。

 

今度は地元を離れた息子家(や、その相続人)の方が不満を募らせていきます。そもそもウチの持ち分をもってお金を稼いでそれで生活しているのに、どういうことだ。家賃が遅れても振り込まれなくても、責めなかったではないか。そこへきて修繕費用を払え?テナントをきちんと選ばないから家賃の未入金や修繕のための余分な費用が発生したんじゃなか。家賃ももらってないのに何故お金を払わないといけないのか。こんな難しい状況になる前にしかるべき相談があるのが筋というものではないのか。

 

と、大体このような感じです。登場人物や細かい事情は異なりますが、人間の置かれる状況とそこから生まれる感情というのはほとんど変わることがありません。こうして仲が良かったはずの、もめるほどの財産をもっていなかったはずの家族が、この世で最も縁遠い存在へと変わっていきます。これほど悲しい話はありません。

 

従って、不動産の現場からのアドバイスとしては

1.不動産の共有はしない

2.現在不動産を共有しているのであれば、持ち分を買い取り、または売却して整理しておく(共有者や持ち分を買い取ることができる不動産業者に売却)

3.不動産を売却できないのであれば第三者に管理を委任する(不動産管理会社の選任や不動産信託の利用)

を行うよう強くお勧めします。

 

1.は大原則的なことです。止むをえない事情がある場合を除き、共有は避けましょう。

2.は売り買いです。一般市場で不動産の共有持ち分を売ることは難しいですが、共有相手から買ったり共有相手に売ったりします。また、不動産業者によっては買い取りを行うところもあるので買い取ってもらうと良いでしょう。例えば現在空室で、修繕や解体を行わなければ、売却ができない、客付けができない、あるいは修繕費用が捻出できない等の場合は、所有していても維持費の持ち出しと所有者責任リスク(民法第717条)しかありませんので早めに検討すると良いでしょう。

3.は第三者に管理や運用を依頼することで感情のもつれのリスクだけでなく資産の陳腐化リスクも減ります。特に資産として大切に運用していきたい場合には信託を利用することが良いようです。信託に関しては後日詳しく記載していきます。

 

いずれにしても「もめないように半分ずつ所有」等は最悪の選択肢となり得るのです。

 

 

楽府株式会社 宅地建物取引士 永秀一郎

 

 

不動産の売却、買い取りのご相談は

http://gafu.asia

メール info@gafu.asia

TEL 042-656-7414

 

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