インターネットを利用しない人も管理費に含まれているインターネット代を支払う必要があるか

  • 2018.07.05 Thursday
  • 13:37

総務省の通信利用動向調査によると、日本でのインターネット普及率は2016年の段階で83.5%です。この記事を読んでくださっている方も、ほとんどがスマホやパソコン、タブレット等でご覧いただいていることと思います。

 

このインターネットの普及に伴い、マンションやアパートの集合住宅でも、インターネット接続サービスが付随している物件をみかけるようになってきました。「そのマンションの住人であれば、(たいていの場合)無料でインターネットに接続できます」というようなサービスです。もちろんインターネットの接続サービス事業者には、その分の代金を払わなければなりませんが、建物全体としてまとめて加入するので、一世帯当たりの通信料負担は低くなるというのが特徴です。

 

そして大抵、この接続サービス事業者への支払いは管理料に含まれています。

 

さて、居住者には当然、インターネットを利用しない方もいらっしゃいます。またご自分のスマホ代金や電気代との兼ね合いも考えて、マンションのネット接続は使わないという方も当然にいらっしゃることでしょう。そして、こう思うかもしれません。

 

「私はインターネットを利用しないのに、インターネット接続料が込みになった管理料を支払わなければならないのはおかしいのではないか」

 

この点について、広島地裁平成24年11月14日判例時報2178号46頁を読んで、そのポイントをまとめると、

 

1.そもそも「インターネットサービスが全戸に一律に提供されている」というのが不動産の増分価値です

2.そこに住むということはその増分価値から得られる利益を受けているわけです

3.だから各戸がそのサービスを利用しようとしまいと「価値」を維持するために費用を負担するのは当然でしょう

 

ということになります。またインターネットサービスの利用料金を含む管理料を各戸が公平に負担することを義務付けている管理規約についても無効とはいえないと述べています。

 

最近では、インターネットサービスだけでなく、ケーブルテレビサービスについても付随したマンションやアパートも多くあります。これについても類推解釈することとなるでしょう。

 

したがって、例えば今住んでいるマンションの自治会で「建物全体としてケーブルテレビサービスが利用できるようにします。これに伴って管理料も増額します」という決議が取られ、管理規約が改正されても、それは有効となり、サービスを利用しようがしまいが、増額した管理料を支払っていくことになります(建物の区分所有等に関する法律第30条及び第46条)。

 

不動産の現場で一連をみていて感じるのは、それぞれに財政事情等はあると思いますが、健全に運営されている自治会等では、各戸の負担が過大となるケースはほぼ見受けられません。そこに住んでいくということを選択するのであれば、月々の数百円〜数千円の負担は、和を重視し、家族や子孫が永く和やかに住まうための投資と考えた方が幸せなのではないかと感じます。

 

また、どうしても考え方が合わない場合には、売却や賃貸に出す等で住み替えを検討したほうが、お互いに幸せな場合もあるかもしれません。

 

いずれにしても、目先の損得で物事を考えるのではなく、長期的に、大局的に見ていくことがとても重要です。

 

楽府株式会社 宅地建物取引士 徳永 秀一郎

 

 

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