生産緑地を貸すという選択肢

  • 2018.08.25 Saturday
  • 11:36

まず、最近よく耳にする言葉「生産緑地」とは何でしょうか。

 

生産緑地とは都市部(市街化区域内)の緑地で、市町村から指定を受けた農地や採草放牧地のことをいいます。

 

敷地500平米以上、30年以上営農を継続することを条件に指定され、固定資産税が安くなる代わりに農業以外の目的に土地を使用することができなくなるというものです。

 

1972年に制定された「生産緑地法」という法律に基づいて運用されているものですが、当時、人口の増加により都市部の緑地が急激に開発されたことにより、住環境の悪化や、水害等の災害の発生が問題視されるようになり生まれた法律です。

 

そして昨今話題になっている「2022年問題」とは、1992年に改正された生産緑地法の「30年間の営農義務」の30年が経過することにより、生産緑地の指定を外すことができるようになるので、都市部の緑地が宅地となって大量に一般市場に出回るようになるのではという懸念です。つまりそこが開発されることにより、人口が減少している中でも、住宅が新築され、空き家が増え、家賃が下がり、結果不動産価格が下落していくのではないだろうかという懸念です。もちろん物事には両面がありますので、例えば家賃が下がることにより、他の消費に回せるお金が増えるという一面もあるかもしれません。あるいは、農業従事者が減少する中で、他の用途に土地が活用されることが、経済にプラスの面をもたらすという一面もあることでしょう。

 

とはいえ、国としてはやはり、都市部の土地が急激に市場に出回って経済に悪影響を及ぼすことは避けたいと考えているようです。また農業は我々人間にとっての生命の礎でもありますので、そこが少しでも維持されるようにしたいと考えているようです。

 

ところが、都市農地は土地の価格が高くなるため、それらの土地を買って農業を営んでも元を取れないという状態でした。では土地を借りて農業を行うのはどうかというと、(売買と同様に)農地法第3条による農業委員会の許可が必要、かつ(賃貸借の場合は)農地法第17条により賃貸借契約が法定更新されていくので、ほとんどの場合「農地を貸したら二度と返ってこない」という状況に陥ることになっていました。さらに、都市農地を貸した場合には、それまで猶予されていた相続税を支払う義務が生じます。当然都市農地は他の農地と比べて相続税は高くなりがちですので、こういう事情からも農地を貸すことがとても難しいという状況でした。

 

そこで平成30年6月20日、衆議院において「都市農地の貸借の円滑化に関する法律」が議論され、可決成立しました。

 

この法律によると「都市農地特有の役割を果たす」事業計画を策定して、耕作を行うことにより、上述の農地法第3条、及び第17条の規定の適用除外を受けることができます。例えば生産物の一部分を地元の直売所で売ったり、子供たちを含む住民の農業体験の場、交流の場として活用したりというように、広く公に有用な土地の活用をしてくれれば、特例として農地法の適用除外としてあげますよということです。また、併せて税制改正が行われ、農地を貸したとしても、相続税の納税猶予制度を継続して受けられるようになったので、その点からも、農地の賃貸借に対するハードルはぐっと下がったといえるでしょう。

 

さて、では農地を貸す場合に、地代をどのように設定するかですが、農地を賃貸借する場合の地代については、取引事例もあまり多くありませんので、収益分析法で求めていくことになります。固定資産税・都市計画税の年額を基準にその土地固有の事情と取引当事者間の事情を勘案して設定していくのは他の土地の地代の設定と変わりません。

 

楽府株式会社 宅地建物取引士 永 秀一郎
 
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併せて読みたい記事;

「借地権設定時の適正な地代の算出方法とは」

 

 

 

 

 

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